藝大院生、モデルで銭湯絵師見習いの勝海麻衣さんに模写疑惑
定期的に話題になるトレース疑惑、今回は銭湯絵師見習いの勝海麻衣さんに注目が集まっています。
大正製薬「RAIZIN」サンプリング&ライブアートイベントで行われたライブペインティングの絵が、有名な絵描きさんの作品と酷使しているとのこと。
私の絵は構図を優先させるため全体的に大まかな流れを作りながらそれに沿う形で影や模様や骨格等をリアルでは不自然なレベルにむりやり捻じ曲げて描いているのでデッサンの狂った部分がある意味私の絵の個性になっています。その部分が偶然一致する事はまあなかなか無いと思うんですが。
— 猫将軍 NekoshowguN (@nekoixa) March 28, 2019
確かに、骨格が不自然だったり、本来虎にはない胸元の模様が同じなので、確実に元絵にしているものと思われます。
これに対して、お詫びが表明されました。
— mai katsumi / 勝海麻衣 (@katsumi0411m) March 28, 2019
— RAIZIN (@RAIZIN_taisho) March 28, 2019
勝海麻衣さんの経歴は?
藝大と言われることが多い勝海麻衣さんですが、実はご出身は武蔵野美術大学です。比較的入学しやすい学部に入り、有名国立大学の院に入るのは、大学名で箔をつけて活動している方のよくある手口です(慶応SFC→東大院、立命館→京大院など)。
美大在学中にモデル活動を開始し、2017年9月に銭湯絵師に弟子入りし、2018年に藝大大学院に入学。修行を始めて一年後に、いきなりたくさんの記事で取材を受けています。
ひょっとしたら、モデル活動しているうちに「話題性」が必要と考えて、日本で数少ない「銭湯絵師」という職業を選択し、箔をつけるために藝大院に進んだのかもしれません。本当に職業にしたいなら、学校に通わずそのまま仕事にすると思うからです(もちろん、同時並行で学び続けたいという気持ちがあった可能性もあります)。
実際、2019年には個展開催を実現したりなど、芸術家(またはモデル)として活動するには、知名度・話題性も重要な要素なのかもしれません。
なぜ他の人の作品を使ったのか
イベントの画像には、元になる絵を見ながら描いていることが分かります。
自分の下書きじゃなくて、明らかに何かプリントアウトしてますわよね🤔 pic.twitter.com/oDvOGLq0MA
— ぼたもち@全裸正座待機勢 (@botamochi99) March 28, 2019
正直、プロとしてライブペインティングでお金をもらっているのであれば、猫将軍さんの画像じゃなかったとしても、手元の絵を参考に描くのはどうなんでしょう。修正不可能な状態で、自分のセンスと能力で一気に書くことが ライブペインティングだと思っていたのですが…。
武蔵野美術大学の空間デザイン学部だったのもあり、ライブペインティングできるほどの画力をお持ちではないのかもしれません。
また、当日まで何が描かれるか分からないイベントにはPR会社がするわけがないので、あらかじめ広告主にRAIZINに合ったイメージを提案していたはずです。RAIZINのブランドカラーに合わせて虎が描かれている点からも、先にデザインは決まっていたと思われます。
ここで、勝海麻衣さんが猫将軍さんの絵を提案したとしたら確信犯です。PR会社か広告主がどこからか猫将軍さんの絵を探してきて、勝海麻衣さんに「こういうの描いて」と言ったのだとしても、出どころを確認すべきだったと思います。
しかもそのまま描いちゃダメですよね。この辺の感覚がよく分からないのですが、ご本人が猫将軍さんの作品であることを知らなかったとしても、誰かの絵を広告主のいるイベントでそのまま描くってあり得ないです。
色味とモチーフだけ広告主やPR会社と握り、ご自身のイメージするものを描けばよかっただけだと思うのです。なんであんなに特徴的で、知名度のある方の作品をそのまま描いちゃったんでしょうか。
いずれにしてもこの結果になったのかも
モデル志望でご本人よりもスタイルがよく美しい人はたくさんいます。また、藝大出身で天才的な方もたくさんいる中で、「モデル×藝大×銭湯絵師」という掛け算の希少性で注目を集めた勝海麻衣さんですが、逆に言えばどれも中途半端ということかもしれません。
銭湯絵師はまだ一年、藝大は院1年、モデル活動もいわゆる本格的なモデルではありません。2018年秋から注目を集め、いろんなイベントに呼ばれ、個展を開き、モデル活動を行ってきた結果、芸術活動に集中する時間はなかったのではないでしょうか。特に絵画は持っている能力にプラスして継続的な磨き込みが必要です。インスタはモデル活動の写真ばかりですし、画力を磨く時間に割けないままライブイベントを受け続けていれば、模倣しなかったとしても、いずれ「あれ?評判ほどでは……」という結果になったのでは。
銭湯絵師としてのライブイベントの場合、評価できる人も少ないので問題なかったのかもしれませんが、芸術家としても実績を出したい、または注目されたい、と欲が出た時点で、いずれこういう結果を迎えたような気がします。
銭湯絵師の師匠がひたすら気の毒な案件でした。